楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

これが山梨のNさんの黒楽の湯飲みです !

本日の夕方、先日にブログに書いた山梨県のNさんが、わざわざ教室までご自分で焼かれた黒楽の湯飲みを持って来てくれました。

本当にありがたいことです。

写真で分かりますが ? 黒の色合いを見てください。肌の感じを見てください。

Nさんの地元の山梨県で採取した輝緑疑灰岩で焼いたものです。

上下逆さは、光の関係で光源が反射しないように逆さでの撮影は許してくださいね !

私が現物を見たところ、京都の加茂川石とほぼ同じと言っても良い位の石です。

Nさんご本人曰く、調合せずその石100%で焼き上げたとのことです。

窯は七輪を上下に重ね合わせて、ふいごが無いためにドライヤーで焼かれたとのこと。

そのために、湯飲みの半身は還元から酸化となったようで、長次郎の黒楽のような黒の上に酸化した茶味を帯び、半身は還元のままだったようで、長次郎の「俊寛」のような色合いでした。

このNさんが使用した上下合わせた七輪でこの石が溶けたということは、加茂川石より少し融点が低い位で、後は正に黒楽の色合いですので、長次郎の黒楽にはこの石が使用出来ます。

世間には加茂川石で無ければ黒楽ではないと言う意見もありますが、京都でさえ加茂川石はなかなか採取できなくなりましたので、新加茂川石として存在する時代ですので、石の組成が同じであれば、それは加茂川石と称しても良いのではないでしょうか ?

今回Nさんの功績により、また新たなる一歩となりました。

このブログを見ている方で、加茂川石が入手出来なくとも、黒楽茶碗は焼くことが可能なのです。

それをNさんが自ら証明してくれました。

ですので、諦めず、地元に輝緑疑灰岩があれば、先ずはその石で焼いてみてください。

窯もNさんのように上下合わせた七輪で十分です。

そして、もし黒楽が焼けたら、是非私にご連絡ください。

そうして日本各地からいろいろな方々の情報が拡散出来れば、みんな黒楽の同士として切磋琢磨出来るのではないでしょうか !

ですので、みなさんよろしくお願いいたします。
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