赤楽の原料と難さのパラドックス
赤楽の一番の難しさは釉薬では無く、黄土の選択と焼成温度です。
黄土は焼成温度により、いろいろな色になるからです。
冴えないオレンジから赤に近い色に、また朱に近い色になったりもする、厄介な原料なのです。
厄介な黄土と言うことが分った時点で、私が使用している黄土を紹介します。
一般的な京都黄土、京都錆土、稲荷黄土、中国黄土です。
これらの黄土を作品の形状に合わせて、また自分が表現したい意匠に基き単味で使用したり、調合したりしています。
焼成は前にも話しましたが、赤楽窯は炭の燃焼がある程度決まっていますので、その範囲で如何に自分が望む色合いを出すかにより、黄土を逆に調合します。
問題は自分が焼きたい作品が少し焼きしまった赤楽の作品を焼きたいと思う時です。
今までの黄土の調合だと、意図する色合いと違って焼き上がります。
なので、再度黄土をその少し高めな焼成温度でも発色するように調合しなおさなくてはならなくなります。
なので、赤楽の焼成はフイゴも使わず、窯さえ安定していれば、焼くのは簡単ですが、色合いを出すには、黒楽茶碗より大変なのですよ!