楽茶碗 「またの名を迷雲」
「例えばこのオヤジ、群れを嫌い、束縛を嫌い、権威を嫌い、叩き上げのスキルだけがオヤジの武器だ!」何てドラマのナレーションの如くカッコいいこと言ってみたいですねぇ!
しかし、
「例えばこのオヤジ」=間違いありません。
「群れを嫌い」=間違いありません。
「束縛を嫌い」=間違いありません。
「権威を嫌い」=間違いありません。
「叩き上げのスキルだけがオヤジの武器だ」=間違いありません。
テレビドラマ、「DOCTOR X」の主人公である大門未知子 ?
いや、ただのオヤジです。
私はただの依頼された茶碗を作る、茶碗製作オヤジです。でも一応自分の茶碗の製作者としての号はあります。『迷雲(めいうん)』です。
この銘はあの一休さん、一休宗純から拝借しました。狂雲の一休さんです。
雲はいつも形を変え、風に流され、そして留まり景色を作ります。
時には狂い、また時には迷う。
人間である以上、幾ら経験を積んでも時には狂い、時には迷う。
それこそが人間だと考えています。
丸い茶碗を愛し、時には角なる茶碗を愛す。そこに根拠は存在しません。
人間である以上、感覚に根拠は存在しないのです。人が人を愛する時、「なぜ愛しているのか?」と問うても明確な答えは無いのと同じで、感覚は説明の域を超えているものだと思います。
日本の文化は一子相伝が基本です。また口伝もしかりです。
しかし、この両者は良きもあり、また悪きでもあります。
日本文化を育てるためには、より多い情報が必要となり、その情報を元に切磋琢磨していくことが大事だと考えるからです。
今、なかなか忙しく、YouTubeにアップしている七輪を使用した楽窯での焼成方法も最終までアップ出来ていない状態ですが、
この方法は元来の「七輪焼」の領域をはるかに超えて、また可能性を秘めている窯なのです。
「七輪かぁ!」何て思うこともあるでしょうが、是非楽茶碗を自己流で作られている方はチャレンジして頂きたいと思います。
そこには本式の楽窯と全く同じ技術が必要です。七輪で楽茶碗が焼成出来れば、楽窯でも焼成できることをこのオヤジが保証します。
叩き上げのスキルを身につけたいあなたへ。