楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

楽茶碗の正面を決める作業

楽茶碗には「正面」が必ずありますね!
この「正面」はどのように作るかご存じですか?

茶碗を作る時に決めています。施釉の時に表情を付けています。

でも、ここまでの楽茶碗の作業は、私達が出かける前にシャワーを浴びて髪をセットした状態のようなものなんです。

最後には今日何を着ていこうか考えませんか?この服がいいかな?あの服がいいかな?なんて!

楽茶碗の正面の表情付けも、「何をきていこうか?」と同様に、洋服に当たるのが焼成だとも言えます。

まず、楽窯への窯入れです。要は茶碗を窯に入れることです。

楽窯は基本的には一碗焼成なので、何十個もある窯入れではないので簡単に見えますが、まず窯の現在の雰囲気を見極める必要があります。

窯はいつも高熱にさらされているで!窯の変形や内部が多少変化して炎の流れが移動することがあります。

よって、直近の窯の雰囲気により、茶碗の正面の窯入れの向きを変えます。

正面を融かし気味にしたいときは、炎がいつも強い場所へ。また意表をついて正面を半生に焼き上げたいときは、正面を炎の弱い所に収めます。

炭で焚く場合は、ある程度炭の配置でもコントロール出来ますが、火の道が出来てしまうと、炎はその出来た火の道ばかり通りだし、尚更火力を増して他の場所の炎まで奪い、火の道の温度を上げてしまうんです。

ですから、炭の配置、燃焼時の炭の管理はとても大事になります。

それが全て順調に進んで、初めて当初から予定していた茶碗の正面が出来るのです。案外大変でしょ!

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