楽茶碗は大嫌い!? でも茶碗を焼きに焼きまくる男『迷雲』のブログ

楽茶碗の製作は地味で熱いなどシンドイことばかりですが、楽茶碗師『迷雲』が製作を通して感じたこと、知っていること、時たま脱線したこと(いつもかな?)を書き綴っていきます。

ふと、深夜のファミレスにて

深夜、知り合いより「趣味なのか、事業なのか ?」とメールにて質問が来ました。

私は激怒と共に悲しいメールでもありました。

陶芸と言うジャンルは世間から見れば、確かに趣味と言う範疇なのかもしれません。

私は趣味を真剣に教えているのですが、端からはそうは見られないのかも知れません。

世の中はデスクワークと営業や職人職があると思います。

音楽家は職人職に入ります。

デスクワーク人と営業や職人はどちらが偉くて上ではなく、車で例えるならば、車のボディがデスクワーク人、エンジンが職人や技術職、そして営業が駆動輪だと思います。

どれも欠けては、快適に走行出来る車にはなりません。

先日の山梨のNさんが実証してくれた山梨産の輝緑疑灰岩ですが、ただこの石で黒楽茶碗が焼けることが実証されたのみならず、これからの日本の伝統である黒楽茶碗の未来にかかっている実証だと思います。

ご存じの様に、京都での加茂川石の採取は、枯渇によりもう出来ません。

ですからお話ししたように、京都でも伝統を絶やさないために、新加茂川石を編み出している訳です。

技術がいくらあろうとも、原料が無くなれば、その技術は絶えて行きます。

ですから、そのNさんの実証はこれからの日本の黒楽茶碗の未来に光をもたらす偉業だと。

人間の営みは、全ての人により自分の存在が見いだせます。

前にもお話ししましたが、石器時代に自分がワープしたら、何が出来るでしょうか ?

衣服もない。調理機具もない。食料も自分で取らなくてはならない。娯楽もない。

全て無いだらけの世界です。

ですので、今自分が自分らしく生きれるのは、その生きれる各要素を誰かが作ってくれているから。

趣味か事業か ?などと言う次元より、もっと高次元なものなのではないかと思ってます。

昔、世界から日本は「エコノミックアニマル」と言われたことがあります。

今では時の流れで、世界がグローバル化し、死語となってしまいましたが、死語となったのではなく、すでに日本人のDNAに入ってしまったのかも知れません。

東京タワーは世界の技術を真似することなく、日本独自の技術で作ろうとの思いで、日本の技術を使い作られました。

27万本にも及ぶリベットを真っ赤にして、それを火挟みで掴んで10メーター上に投げる。

10メーター上の人間は、真っ赤になった鉄のリベットをちり取りのようなもので受けて、また火挟みで掴んでリベットを打つ穴に入れて、二人の打ち手がそのリベットを打つ。

この作業を段々タワーが高く成るに連れて、コークス窯も上げて行くのです。

なので、日本で一番高い所にあった窯かもしれません。

安全ベルトもなく、正にプロの職人鳶職の方々が立てた東京タワーなのです。

長々となってしまった今回のブログですが、どこの会社も、また人々も車の様であってほしいです。

全てがあるからこそ、快適に過ごせるのではないでしょうか ?

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