楽茶碗の釉薬調合に於ける有鉛か無鉛か?
楽茶碗の釉薬調合に於いて、有鉛を使用するか、無鉛を使用するかを悩むことと思います。
このことが分からない方もいらっしると思いますので基本を話します。
赤楽にしても黒楽にしても、白玉(フリット)、要はガラス粉です。
と、白粉(=定粉=鉛白/鉛が酸化したもの)を混ぜて調合して釉薬を作ります。
この白玉には鉛ガラス(有鉛フリット)と鉛が入っていない無鉛フリットがあります。
白粉はそのもの自体が鉛の酸化物なので、無鉛はありません。
さて、昔の楽茶碗は必ず上記の原料を調合していましたが、近年食品衛生法により、食器に対し鉛が入っている原料は使用しない流れとなっています。
しかし、楽茶碗に於いては、完全に禁止という事ではなく、日本の伝統工芸である楽茶碗に於いては、薦めてはいませんが、使用の禁止はされていないようです。
さて、ここからが問題です。有鉛材料を使用するか、またしないか?
有鉛材料を使用するメリットは発色が良いと言うことです。無鉛を使用すると発色は全くさえません。
よって、使用するかしないかは、個人の責任上の判断に委ねるしかないですが、楽の向付等で酢の物を盛り付ける事をする場合は、有鉛材料は控えた方が良いと思います。