炭化による銀化はご用心、ご用心!
燻し瓦は皆さん知っていますね!
昔ながらのネズミ色の瓦です。
新しい時は、少し銀色をしているんですよ。
なぜ、銀色をしているかと言うと、瓦を焼く瓦窯と言う窯で瓦は焼かれるんですが、焼き上がったら、真っ赤な窯の中にまだ青い松葉をドサッと投入して窯の蓋を閉じてしまいます。
すると、窯の中で松葉が燃えて一気に瓦が蒸し焼きとなり、松葉から出た煙で瓦の表面に炭素が付いて炭化します。
その炭化がにより瓦は銀化して銀色のようなネズミ色に成る訳です。
なぜ、そのようなことをするか?
これには訳があります。
瓦は表面にが荒いと、そこから雨水が侵入して、冬場はその染み込んだ水が凍結して瓦が割れてしまいます。
なので、瓦職人は瓦を作る時は、丹念に瓦の表面をヘラで綺麗にして、なるべくツルツルにし、水がはいりにくくしていますか、それでも水は染み込んできます。
それを防ぐために、松葉で蒸し焼きにして、微細な瓦の表面にある穴を炭素で塞いでしまうんです。
そのために、燻し瓦と言うんです。
北陸の金沢にある金沢城の瓦は、燻し瓦でも冬場は破損するために、昔から鉛瓦が使われていたくらい、瓦は染み込んでくる水と冬場は大敵なんです。
そこで、言いたいのが楽焼のテクニックです。
今回はテクニックを利用するのではなくて、この燻し瓦のテクニックは使ってはいけないことの注意です。
楽茶碗は8~9割方焼けたときに、新しい炭を投入すると、融けている釉薬の表面に炭素が付着していまい、赤楽にしても黒楽にしても茶碗の表面が嫌な銀化を起こして見苦しくなります。
ですから、その時点で炭の補充は絶対してはいけません!
茶碗が焼ける6~7割時に最後の炭足しは終わりにしてください。
そうすれば、まだ釉薬は完全に融けていませんので、嫌な銀化の皮膜は茶碗の表面には付着しません。
気をつけてくださいね!